「腰を回せ!」は本当ですか?

スポーツの場面でよく聞く「腰を回せ!」という言葉。
感覚的にはそうかもしれませんが、解剖学的には実は大ウソです。
腰は「回してはいけない関節」です。ケガをします。

今日はその説明をしてみますね。

脊柱(背骨)の中でも腰の部分(腰椎)には5つの骨があります。
それぞれの間が関節ですので、4つの関節があります。

様々な文献がありますが、
この4つの関節を合わせて5〜10度回旋すると言われています。
つまり1つの関節につき、約1〜2度しか回らないと言うことです。

その証拠に、椅子に座って手を胸で組み、体をひねってみてください。
おへその向きはほとんど変わらないと思います。
腰はひねれないんです。

「いやいや、だって体は横向けるし、
野球やゴルフでスイングするときはあんなにひねってるじゃない!」

と、思いますよね。

実はスイングでひねっているのは、背骨の中でも胸の部分(胸椎)です。
こちらも文献によりますが、30〜35度回旋すると言われています。

「それでもまだそれだけ?横向く90度くらいひねれるよ?」

ですよね。
さらに他に動いているのは、実は肩甲骨と股関節です。

例えば右利きのゴルファーがテイクバックをすると、
右の肩甲骨が背骨に寄り、左の肩甲骨が背骨から離れます
そのとき右の股関節が内側にねじれ、左の股関節は外側にねじれます。
スイングが終わると、今度は逆の動きが起こります。

これであんなに大きくスイングしているように見えるのです。

ということは、股関節が硬い、肩が硬いという方が
大きくスイングしようとした場合、
腰をひねることになり、腰を痛める、ということになります。

腰はひねって大きな力を出すよりも、
下半身から伝わってきた力を
上半身、腕、クラブにうまく伝える部位、
と考えるといいと思います。

これが苦手な方を俗に「体幹が弱い」と言うこともありますね。

ただ、イメージとして「腰を回せ!」で通じる人もいます。
それでスイングが修正されるのであれば、それはそれでいいのです。

指導する側としては、原理をしっかり知って動作を見た上で、
伝わる言葉を使っていきたいですね。

今回もお読みいただきありがとうございました!

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